着物仕立て直しについて
着物仕立て直しについて、よくご相談いただく内容について記載してみます。
○手持ちの白生地を着物に仕立て
一時、糸を自分で紡いで白生地に織ってもらうことが流行りました
その時の手持ちの白生地をお持ちの方が多いようです。
白生地を小紋帳のブックの中から選ぶことも出来ます
コスト面からも色無地にされる場合が多いですが、
色無地だけでは物足りないと、刺繍紋や、柄のワンポイントに刺繍を施される事もあります。
こんな提案もしております。
暈しを裾、袖に施してあります。
色を私の経験でのお見立てと、お客様との希望をお話の中でしっかりと
詰めて、白生地をお預かりしております。
○派手になった着物を仕立て直す
最初に白生地の場合を載せましたが、当店で一番多いのが派手になった着物の仕立て直しです。
寸法がバラバラになってお困りの方も多いので、採寸時には的確に合った採寸も大切なのですが、仕立て直しといえども慎重に他のきものとの兼ね合いも考えながら採寸、寸法決めをしています。
加工方法では一つの方法として
目引きといって。色の足し算 ■ + ■ = ■ ■ + ■ = ■
派手になった着物を上から色をかけて抑える事が出来ます
ご希望の色と基にされる着物の色とが色相内で正反対の色には染めることが出来ませんが、基のきものの良いイメージを残しつつ。新しく生まれ変わらせることが出来ます。
工程は、色決め、着物をいったん解いて、染、仕立て直しです
この場合、お客様のご要望をしっかりとくみ取れるように細心の注意を払い色を詰めていきます。
お届けした時に「わっ、素敵になった♪」と、驚いていただけるお顔を拝見する時が、この「目引き」を、納めるときの楽しみです。
また、派手な着物の場合柄が大きいものは
帯や、羽織、コートなどに仕立て直すこともお勧めです
帯は出したい部分によって見えないところに接ぎが入ることがあります。
コートなどは襟の形が楽しめます、衿の型によって前立ての裏地が必要になることがあります。
お母様、おばあさまの丈の合わないきものがあるが何とかならないか?と相談を受けます。
きものの仕立てで、よく考えてある一つに解いて戻せば、元の反物に戻せるという点ですが、昔の物は、日本人の平均寸長も低かったことから、反物の生地巾そのものが限られていたため、身丈はそれほど困ることはありませんが、裄丈を出す場合、難しいことがあります。
その場合、仕立てた着物の中に入っている部分がどのようになっているかを生地を触りながら手探りで伸びしろを探して、どれほど伸びそうか調べることが出来ます、
裄丈の場合は、袖と身頃の間に
身丈の場合は、身頃の真ん中に縫い上げ、衽と衿の継ぎ目の中に
それぞれ入っていますが、生地巾、生地の長さなどでそれぞれ仕立ての時に調整して着物の仕立てるときに中に入れられています
その入った長さで丈を伸ばす際に必要な長さが中に入っていれば大丈夫です
工程としては、
裄丈、袖丈などは、全部を仕立て直さなくてもOK、部分直しで大丈夫ですが
身丈とかを大きく伸ばす、何か所も直す場合には、仕立て直しが着物のバランスを考えてもコスト面で考えても、一番最適です、
工程としては
いったん解いて。洗い張り、仕立て直しとなります
寸法が取れない場合には
前述のように羽織や帯にすることを考えるのも一つですし
おはしょりの見えない部分を切り離し、継ぎ足す事も最終手段ですが方法としてあります。
通常のカビの場合、当店のお手入れでの「カビ取り」で落とす事が出来ます
箪笥の中に長い間放置してしまったケースが多いかと思いますが
たとう紙も湿気吸収には役立つのですが、吸湿の許容を超えてしまい、きものに移ってしまう事があるようです。染料にまでカビが入ってしまうと染料も抜けてしまいます。大切にされる着物の場合、着物をいったん解き、カビの原因となるものが残らないように洗い張りをして、着物の染料の状態を見ながら全体的に補正し、着物仕立て直しをします
○黒留袖の黒の色が褪せてしまった
こちらも箪笥の中に長い間放置してしまったケースで、箪笥の中にぎゅうぎゅうにしまっていたものが多いようです。
色褪せを全体に抑える方法と、柄の部分以外を新しく黒染めする方法があり、色褪せを全体に抑える方法は、仕立てたそのままの状態で出来ますが
ヤケムラがひどい場合で色掛け補正で難しい場合などはそのまま残ってしまいますのでその場合はきものを解いて柄の部分を伏せ、新しい染料で染め直して着物仕立て直しにされる方法があります。その場合染めるだけではなく、金加工などを新たに施し、柄全体を新しい風合いに補正される事も良いと思います。
着物の仕立て直しのご相談はお気軽に:(052)731-5874