教えて茶道(バックナンバー Vol.31~44)
冬の到来(開炉)から新春へ。
炉の点前手順の詳細や、トルコ・エジプト旅行記、お正月の初釜の献立など、読み応えのあるアーカイブです。
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Vol.31:炉の薄茶点前(詳細手順)とトルコ旅行記①
11月7日は立冬、暦の上では冬の始まりですが、自然の模様は晩秋で紅葉の盛りになります。
茶人の家では冬支度が始まり、風炉を納めて炉を開きます。
炉での薄茶点前(手順)
基本になりますので、簡単に述べます。
- 最初にお菓子を運び、正客正面、畳の縁外に置いて一礼して帰ります。
- 水指を持って入り、茶碗・薄茶器を持って入り、建水を持って入ります。
- 居前に進んで、炉縁の内隅をねらって座ります。
- 柄杓を構え、右手で蓋置きを取り、炉縁下座の縁外三つ目に置き、柄杓を引きます。
- 茶碗と棗を置き合わせ、袱紗で棗・茶杓を清めます。
- 茶筅を出し、茶碗を手前に引き、釜の蓋を開けます。(女性は袱紗を使い、男性は素手で)
- 茶巾を釜の蓋に置き、湯を汲んで茶筅通しをします。
- 茶を点てて出します。
- しまい付けを行い、最後に道具(棗・茶杓)の拝見に出します。

トルコ旅行記 No.1(読者投稿)
今回のトリキッシュの旅は色々なハプニングや冒険旅行を体験しました。
イズミールでの夜、ムール貝を売る出店で「試食しろ」と言わんばかりに差し出され、パクリと食べたら高額請求!「ブネカダル(いくら)?」と聞くと法外な値段。結局しらん顔して帰りました。
海外で「食べて」と差し出されたら何でも食いつくな、と言う教訓でした。
Vol.32:エジプト旅行記と「おはぎ」レシピ
一週間のエジプト旅行でした。
私のエジプトのイメージは、ヒゲをはやして怖いおじさんという風でしたが、行ってみると驚くほどフレンドリー。
遠足で会った子供達も「ハロー」と手を振り、英語が話せるか?名前は?と聞いてくる人懐っこさ。
今までのイメージを一新しました。

簡単おはぎ(もどき)の作り方
材料:餅米1合、米1合、甘納豆1袋(130g)、きな粉
- 餅米と米は通常の割合で炊く。
- 炊き上がってから、すりこ木で八分ほどつぶす。
- この時に甘納豆を入れて混ぜ合わせる。
- 俵型に丸める。(小さ目の方がいいようです)
- きな粉をまぶすだけ。
これで美味しいおはぎもどきが味わえます。
Vol.33:師走の禅語と濃茶(こいちゃ)の基礎
12月に入り、大分寒くなってまいりました。
12月では、私の好きな言葉「無事是貴人(ぶじこれきじん)」。
事無く、何事もなく1年が終わりそうだという意味をかけて、12月の掛け軸によく使われます。
お濃茶について
お茶の主体はお濃茶です。お茶を頂くと言うことは、お濃茶を意味します。
特に濃茶は深い精神的準備と、正しい訓練が必要とされます。
その名のとおり、どろりとしたお茶で、お薄はお茶を「たてる」、お濃茶は「ねる」といいます。
一人分は3.75g(茶杓大盛り3杯くらい)。人数分だけのお茶を茶入に入れ、全部使い切ってしまいます。
一つの茶碗で、全員で回し飲みします。

トルコ旅行記 No.3(ハマム体験)
アンタリアのホテルでトルコ風呂(ハマム)を初体験。
サウナの後、大理石の上で体を温め、垢すりやマッサージ。
そこでブルガリアの男性とトルコの女性のカップルと片言の英語で会話。「あなたはラッキーですよ、べっぴんさんの奥さんをもらって」と言うと爆笑でした。
Vol.34:忠臣蔵の茶会と濃茶点前(流れ)
先日、お茶会に行ってきました。
12月と言えば忠臣蔵。「一太刀」と言う銘のお茶碗や、蓋置きは矢襖(やぶすま)でした。
茶杓の銘は「年の瀬」。一年過ぎるのも早いものですね。
濃茶の流れ
- 茶碗(茶筅・茶巾・茶杓入り)と建水を持って入り、襖を閉める。
- 茶入れ、茶杓を清め、茶巾を水指の蓋へ。
- お茶を入れる時は、3回茶杓で入れ、後は回し出して全部入れます。
- 湯を2回に分けて入れ、お濃茶を練ります。
- 正客が一口飲んだ頃にお服加減を聞く。
- 末客の飲み切りを聞いて、釜に水を一杓。
- 茶碗が戻ると、湯ですすぎ、おしまいの挨拶。
- 最後に道具(茶入・茶杓・仕覆)を拝見に出す。
Vol.35:【客の心得】濃茶のいただき方
お菓子の頂き方(濃茶席)
お菓子は、縁高(ふちだか)と言う重箱に入って出されます。
正客は一番下の段に自分の黒文字(楊枝)を入れ、上の段を次客へ渡します。
お菓子を懐紙に取り、空になった縁高は末席へ送ります。
濃茶の頂き方
濃茶は、3~4人で一碗を回し飲みします。
茶碗が出されたら、手の上で2回回して飲みます。3口くらいで頂きます。
飲み口を、懐紙(茶巾のように湿らせたものや専用の茶巾)で清め、次の方へ渡します。
正客は一口飲んだ後、亭主の「お服加減いかがですか」に「結構でございます」と答えます。
飲み終わった後は、茶銘、お詰め(お茶のメーカー)、お菓子の銘などを尋ねます。

トルコ旅行記 No.5(パムッカレ)
綿の城と呼ばれるパムッカレ。石灰棚の絶景。
ホテルの温泉プールで泥を体に塗りたくって遊ぶ私。若い外国ギャルに片言英語で話しかけるも、同行のおじさんに「He is crazy」と言われ、あえなく撃沈。語学は英会話が一番大切だと痛感しました。
Vol.36:【重要】茶ごころ・主客一如
今年最後の配信として、「茶道」について申します。
お茶を稽古するということは、最終目的はお濃茶をおいしく頂く、その為にお食事をして万全の体制を整える(お茶事をする)ということです。
茶ごころとは
第一の特色:感度
打てば響く心。相手の心入れを汲みとって、小さく打てば小さく響き、大きく打てば大きく響く。
その結果、主と客とが渾然一体となる「主客一如(しゅきゃくいちにょ)」と言う境涯が成立します。
第二の特色:心の工夫
物の消費は出来るだけ控えめにして、心の働きでそれを補おうとするところ。
千利休の「家は雨水を防ぎ、食は飢えをしのげばよい」という言葉通り、贅沢をせずとも、心の工夫で王侯貴族にも及ばない楽しみを見出すことです。
第三の特色:謙虚さ
和敬静寂のモットーに示されるとおり、和を尊び、争いを退け、己を律する謙虚さです。
Vol.37:初釜(はつがま)と手作り点心
明けましておめでとうございます。
初釜とは、新春を祝って正月はじめてかける釜のこと。
初釜の道具・お菓子
- 結柳(むすびやなぎ):床の青竹の花入れから、長く柳の枝を垂らして生けます。
- 島台茶碗(しまだいちゃわん):金銀の箔を置いた重ね茶碗。
- 花びら餅:丸くのばした白餅に、紅色の菱餅、味噌餡、ゴボウを包んだお菓子。
我が家の初釜(点心メニュー)
我が家で、茶の友三人で初釜の真似事をしました。
いくらのみぞれ和え、鯛の子・竹の子の煮物、菜飯のおにぎりなど。
いつもでしたら煮物椀ですが、ちょっと省略して大阪人らしく「お好み焼き」も出しました。
Vol.38:初稽古と「お先に」の一言
15日は「小正月」。赤小豆を入れたおかゆを食べて邪悪を除きます。
先日、私達の稽古始がありました。
香合は「ぶりぶり香合」。
正月の玩具の「ぶりぶり」から意匠されたもので、八角形の胴にふくらみを持つ形のもの。
【アドバイス】
お茶をいただく時に、次ぎの方への挨拶「お先に」だけは言いましょう。
後は、茶碗を三回まわそうが、右回りでも左回りでも、おいしく粗相のないようにいただけばいいのです。
「お先に」は、お茶の時だけでなく、いつでも使える魔法の言葉です。

トルコ旅行記 No.6(カッパドキア)
キノコ状の大奇岩が広がるカッパドキア。
昔、人が住んでいたという洞穴に、若い(?)私がチャレンジ。
登ったはいいが、降りる時は怖くてへっぴり腰。「猿も縦穴からズリ落ちる」と言う事でした。
Vol.39:筒茶碗(つつちゃわん)と花びら餅レシピ
寒い日が続いています。
筒茶碗(つつちゃわん)
このような寒い時期には、筒茶碗を使います。
お客様に少しでも暖かい感じを抱いていただく為、冷めにくい深さのある茶碗がふさわしいです。
点前では、茶碗の縁に茶巾をかけたまま回し拭きをするなど、少し扱いが異なります。
絞り茶巾といって、湯で絞った茶巾をそのまま茶碗に入れて出す場合もあります。

花びら餅レシピ(8個分)
材料
ごぼう1本、白餡100g、西京味噌10g
求肥(白玉粉100g、砂糖30g、水140g、卵白少量)、食紅
作り方
- ごぼうは柔らかく茹で、砂糖蜜で煮ておく。
- 白餡に西京味噌を混ぜて味噌餡を作る。
- 鍋に白玉粉・砂糖・水を入れて練り、求肥を作る。最後に卵白を加えて白さを出す。
- 求肥を丸く伸ばし、中央を食紅で薄く染める。
- ごぼうと味噌餡をのせて、二つ折りにする。
Vol.40:初茶会の報告と「蝋梅(ろうばい)」
先日、裏千家支部の初茶会がありました。
濃茶席では、主菓子は上用饅頭の鶴。「鶴とカメでめでたいですから」
今年は巳年(へびどし)だったので、道具も蛇にちなんだものが多くありました。
薄茶席の床の掛け軸は「松古今色無(まつにここんのいろなし)」。
花入れが珍しく、蛇腹(じゃばら)になっていました。「今年は伸びたり、縮んだりして、飛躍して下さい」と亭主の言葉でした。
蝋梅(ろうばい)
12月から1月にかけて、葉に先立って蝋細工のような光沢を持つ小花をつけます。
香りがよくて、黄色い花びらをさわるとカサカサと音がします。
茶花としては、残葉がある蕾または開花し始めたものを使います。
Vol.41:茶道具「茶入(ちゃいれ)」について
昨日私の先生がお茶会を持たれました。
約350人ほどのお客様。お点前もいたしました。
30人の視線が一点に集中するのは緊張しますが、場慣れすれば大丈夫です。
茶入れ(濃茶入れ)
焼き物の抹茶入れ。
戦国時代になると茶入れは一国一城にかわる存在ともなりました。
名物茶入れを拝領したものがその領主からの庇護を受ける証の役を果たす事になるからです。
それゆえに、茶入れはきわめて丁寧に扱われ、仕覆(袋)の替えが5枚もあったりします。
中国から渡来したものを唐物(からもの)。
日本のものでは瀬戸焼が多いですが、膳所、丹波、唐津、高取、備前、薩摩などがあります。
Vol.42:かぶら蒸しレシピと裂地(きれじ)の織り方
まだまだ寒い日が続いております。
こんな時は体が温まるものなどがいいでしょう。
かぶら蒸し(簡単レシピ)
材料:かぶら(すりおろし)、卵白、具材(鶏肉、海老、銀杏など)、あんかけ用だし汁
器に具材を入れ、すりおろしたかぶらと卵白を混ぜたものを乗せて10分蒸します。
だし汁・醤油・みりん・片栗粉で作った「あん」をかけ、わさびを添えて完成。
茶碗蒸しよりあっさりとして、料亭の味が楽しめます。

裂地(きれじ)の織り方
- 金襴(きんらん):金箔糸を用いて文様を織りだしたもの。
- 緞子(どんす):光沢があり、柔らかい絹織物。
- 間道(かんとう):縞(しま)や格子柄の織物。
- 錦(にしき):多色の色糸で文様を織り出したもの。
- 風通(ふうつう):二重織りで、表と裏で色が異なるもの。
- 紹巴(しょうは):杉綾状の細かい地紋を持つ、しなやかな織物。
Vol.43:大炉(だいろ)と裂地(きれじ)の色名
厳寒の二月、宗家では「大炉(だいろ)」が開かれます。
大炉の点前は、十一代玄々斎宗匠が創案されたもので、普通の炉が一尺四寸四方であるのに対して大炉は一尺八寸と大きく、さらに逆勝手(ぎゃくがって)で炉に近づいた手前となり暖かく客を迎える工夫です。
先日、大炉の茶会へ行って参りました。
釜は政所釜(まんどころかま)。お茶碗も「宝来」という黒の筒茶碗。
お点前さんは逆勝手なので、右の腰に袱紗をつけ、足の運びも逆になるので大変そうでしたが、素敵なお席でした。
裂地の色名(和色)
- 萌黄(もえぎ):緑味の黄緑色。
- 蘇芳(すおう):黒味、紫がかった紅色。
- 縹(はなだ):紺に近い青色。
- 浅黄(あさぎ):薄い葱の葉の色(水色)。
- 納戸(なんど):鼠色がかった藍色。
- 海気(かいき):つるつるした絹織物。
Vol.44:裂地の文様(もんよう)
春の日のようだったり、冬に戻ったりの気温の変化。
私は暖かい時に戸隠スキー場に行きましたが、雨降りでした。でも名物の戸隠そば(雉汁そば)は美味しかったです。
裂地の文様について
- 吉祥文(きっしょうもん):おめでたい文様の総称。(宝尽くし、松竹梅、鶴亀など)
- 雲文(うんもん):霊芝雲、瑞雲など。
- 唐草文(からくさもん):つる草が旋回しながら伸びていく文様。
- 梅鉢紋(うめばちもん):梅の花を幾何学的に図案化したもの。
- 幾何学文:七宝、亀甲、青海波、網代(あじろ)、立湧(たてわく)など。
