「教えて茶道」Vol,93

 

先日茶会へ行きました。
その時の当番の先生は、お母様を亡くなれ、供養の茶会と言っておられました。
ですから、茶道具にそんな趣を取り入れておられました。
茶碗の一つに、備前焼で、茶碗の回りに般若心経が書かれたもの。
       伊羅保焼き 銘 侘ノ友(わびのとも)
主菓子   銘 面影 レンコン小片が、きんとんの中に入っていました。
干菓子盆は、蓮ノ葉盆
蓋置    蓮 レンコンの形で、柄杓を置く所は蓮の葉になっていました。
お母様の跡を継がれて、先生をされ、又、こんな風に茶会がされることは、
亡くなった方はさぞお喜びで、いい供養になったことでしょう。


<掛物 禅語の読み方>
「忘筌」ぼうせん
中国の「荘子」に、「魚を得て筌を忘れる」と言う言葉がある。筌とは魚を捕
る為の細長い籠のことで、魚を手に入れたら、道具はもう必要ないという意味
である。言い換えれば、数々の経典や語録を読破した修行僧も、悟りの境地に
入れば、その手段となった万巻の書物を焼き捨ても構わなくなる。ということ。
魚(悟り)を得て、筌(手段)を忘れる。お茶に即して言えば、道具について
学び、作法に従いながら、ついにそれを忘れる境地に至ること。「忘筌」とは
執着心のない自由な天地を指している。

<茶事>についての補足
<懐石の決まり事>
懐石は、向付、汁碗、飯碗が置き合わされた折敷に始まり、湯桶・香物で終わ
ります。慣れないうちは、緊張して亭主の心尽くしの料理を味わう気持ちの余
裕を持てないかもしれません。しかし、それは亭主と客の心の交流という本来
の意識が失われかねないです。したがって、基本的な作法は日頃から身につけ
ておくように心掛けるが大切です。その上でなお、わからない場合は、正客の
所作に従うようにすればいいでしょう。また、懐石は流儀によっても、作法が
多少異なる点があります。この場合も、亭主又は正客の所作を見習う謙虚さを
持ちたいです。