「教えて茶道」Vol,85

読書も私の好きなものの一つですが、お茶関係を読むつもりではなかっ
たのですが、図書館で借りた本は
「宗湛修羅記」(秀吉と利休を見た男)森真沙子著でした。
秀吉の頃、利休が自刃するまで、博多の豪商にして茶人の宗湛の話でした。
その頃の茶の湯の様子、茶道具のやり取りなどが面白く読めました。
お稽古ばかりでなく、こんな本も読むのも、いい勉強になりますね。

冬の茶花は、椿が一番よく使われます。又多くの種類があります。
早咲きのものに、白玉椿、初嵐椿、大神楽椿、西王母椿(せいおうぼ)
、太郎冠者椿など。
そえの枝物としては、蝋梅(ろうばい)榛(はしばみ)、土佐水木、万作
などを使います。


<正午の茶事>(5)

<濃茶をいただく>
正客は茶碗を取りに出ます。茶碗を縁内、次客との間に置いて、連客一
礼します。正客が一口いただいた後、亭主が「お服加減いかがですか」と
尋ね、正客はこれを受けて一礼します。次客は正客がニ口目飲む頃「お先
に」と、次の客にあいさつしておきます。
正客は飲み終ると、用意していた茶巾で飲み口をふき、茶碗を回して正面
に戻します。正客と次客はひとひざ寄って茶碗を手送りします。正面に向
き直って、同時に一礼(送り礼と受け礼)します。
次客のひとすすりで、正客は亭主に「ありがとうございました」と礼を述
べ、茶銘、詰め(店の名前)、菓子の銘などを尋ねます。
末客が茶を飲み切ると、茶碗を膝前に置きます。正客から茶碗拝見のあい
さつがあるので、これを受けて飲み口を茶巾で拭きます。茶碗の中の底だ
け抹茶を残して、清め正面を正して正客前に持って行きます。
縁外に茶碗を置いて、眺め、手にとって茶の香りをかぎ、最後に縁外へ置
いて、眺め、次客との間、縁内へ置きます。
末客が拝見し終わると、正客と末客と出合で、茶碗を返します。

<茶入れ 茶杓 仕覆の拝見>
正客は、亭主が建水を持って下がると、拝見物を取りに出て、縁内に預か
ります。襖が閉められると、次礼して、拝見します。
茶入れを縁外に置いて、眺め、蓋を取って、茶入れを持って拝見します。
次客へ送る時は、縁内へ置きます。そうして茶杓、仕覆と拝見します。
末客の拝見が終われば、正客と末客が出合いで道具を返します。
正客は亭主が拝見物の前に座られると、
茶入れのお釜元は、お成りは(かたち)
お茶杓は(作者は)、何かご銘は
お仕覆のお切地は(模様)、おしたては(作者)質問をいたします。
亭主はあいさつが終われば、道具を持って茶道口に下がり、茶入れをひざ
近くに置き、その左に茶杓、仕覆を置いて総礼となります。
亭主は襖を閉めて点前を終わります。