「教えて茶道」Vol,84

 

12月と言えば、師走、先生が走ると言われる、せわしない、
せかされる気がいたしますが、ここは、落ち着いて、忙中に閑ありの
精神で、進みましょう。
先日のお茶会の軸は「閑坐聴松風」かんざして しょうふうを きく
一人静かに座って、まつかぜ(釜の湯の煮立つ音)に耳を傾けると言う意味
で、いい掛け軸でした。
又、茶杓は「昔話」銘を聞いただけで、いいな、いいな、という雰囲気に
なりました。皆様はどう感じられますか?
お菓子の銘は「冬ごもり」そばじょうようまんじゅうでした。
じょうようまんじゅうをいただく時は、楊枝を使わずに手でいただて下さい。
主茶碗は、白釉 塩笥と、会記に書いてあり、なんと読むのだろう、
なんのことだろうと、思っていましたら、
塩笥(しおげ)朝鮮の塩入れの小壷。胴が膨らみ、口が締った形。
       古くは堺衆の満田盛秀や明智光秀はこれの香炉を所持。       
このように、口が細くなっているので、お茶を点てにくそうでした。
なかなか、すぐに読めない字や、始めて出会う道具などがあり、茶会での
勉強になりますね。


正午の茶事(4)

<お菓子>
亭主は末客までの膳を下げ終わると、縁高(ふちだか)を持ち出します。
正客の前に置いて「お取りまわしください」のあいさつをして、茶道口
に下がります。茶道口にて、亭主は「お菓子をお召し上がりのうえ、
席を改めとうございますので、中立ちを」とあいさつします。
正客は「それでは、中立ちさせていただきますが、ご用意が整いましたら
お鳴りもので」とあいさつします。主客総礼します。
お菓子をいただいた後、正客から順に次礼をし、床、炉中の火を拝見して
中立ちします。

<中立ち>
正客は席から出て、腰掛待合へ向います。
ここで、しばらく、露地の風情を眺め、後入りの合図を待ちます。
亭主の鳴らすドラを、腰掛けから立って踏み石につくばい、音を聞きます。
頃合を見て、正客から順に席へ入ります。

<席入り>
床前に進み、前席の掛軸は片付けられ、替わりに花が生けられ、それを
拝見します。次に釜、棚、濃茶入れが置かれていますので、拝見して、
末客の拝見が終わると一同定座に着きます。

<濃茶点前>
亭主は膝前に茶碗を置き襖を開けます。茶碗を持って入り、棚正面に座り、
茶碗、濃茶入れを置き合わせします。
次に建水を持ち出し、炉縁の左内隅をねらって客付き斜めに座ります。
柄杓を出してから、主客総礼します。
茶碗、茶入れを膝前に置き、帛紗で茶入れ、茶杓を清めます。茶巾を水指
の上に置きます。湯を入れて、釜の蓋はきっちりと閉めます。茶筅とおし
をして、茶巾で茶碗をふきます。
濃茶を入れて、湯を2回入れて、お茶を練ります。
正客が一口いただかれた時「お服加減はいかがですか」のあいさつをします。
亭主は中じまいをして、正客の質問に答えます。末客の吸い切りを聞いて居
前に戻り、中じまいをときます。茶碗が返されると、主客総礼します。
亭主は、茶碗を湯、水で清めて、しまいます。
水指の蓋を閉めた時正客より道具の拝見が請うわれます。それを受けて道具を
茶入れ、茶杓、仕覆を拝見に出します。
亭主は建水、茶碗を持ちかえり、水指の水を注ぎます。
道具が返されると、亭主は取りに出て、質問に答え、持ちかえります。