「教えて茶道」Vol,70

 

九月に入って、大分涼しくなってまいりましたね。
夜は、虫の声もにぎやかになって秋を喜んでおり、
私は涼しすぎて、布団をしっかりと抱いて寝ております。
夏ばてが、そろそろ出てくる時期で、ご用心を!


貴人清次(きにんきよつぐ)<1>
貴人に随伴のあった場合、貴人、お供にも茶を点てる点前作法で、稽古
の場合は、仮に貴人を迎えたと想定して点前を行いますが、実際にお迎
えした時には、臨機応変の働きが必要になります。
貴人を清(きよ)、お供を次(つぎ)とも呼びます。
貴人点前と同様にして、貴人に差し上げる茶道具は新しいものを選び、
お供には普通の茶碗を用い、茶巾は千鳥にたたんでおきます。
お供の茶筅は、煤竹の茶筅を使って点てます。
席中の荘付けは貴人点と同様で、四畳半以上の席で、台子、棚物を用い
るのが穏当です。
棚には水指、上には薄茶器を荘っておきます。
貴人茶碗はいうまでもなく、木地の台に載せて茶巾、茶筅、茶杓を仕組
み、次茶碗は普通の茶碗に茶巾を千鳥茶巾にたたみ、茶筅は清の白竹に
対して、煤竹を仕組みます。
菓子は、貴人には高杯に紙を敷いて出し、お供には干菓子器で、法定ど
おり出します。
貴人台茶碗を建て付けに置き、茶道口を開け、主客総礼をします。
貴人台を持ち出して居前に座って、台を勝手付きに仮置きして、棚の棗
をおろし、水指前右よりに置き、台を両手で取って、棗と置き合わせ、
水屋へ下がります。
次茶碗を右手に載せ、左手に建水を持って出て、茶碗を勝手付き建水の
上座に置き、柄杓を取りかまえて、蓋置を取り定座に置いて、柄杓を蓋
置に引いて、建水をすすめ、居ずまいを正します。
以下は貴人点ての点前と同様です。
棗、茶杓を清め、茶筅を取り出し、釜の蓋を取って、茶巾を釜の蓋に置
いて、湯を汲んで、茶碗に入れ、茶筅を茶碗に入れてから台を両手で、
手前に引きます。茶筅通し、茶碗を拭いて、お茶を点てます。
お茶が点つと、台を両手で持って、客付へ回り、右向こう、左手前と回
して、定座に両手で出し、一膝下がって、両手をついて控えます。
お供は、これを貴人に取り次ぎます。