「教えて茶道」Vol,28

私の好きな金木犀の香が又してきました。
10月初旬に咲いた金木犀がまた、咲きだしているのです。
まだ、始めの花の残骸の黄色い色が道に落ちている今。
2回も楽しめてステキ花ですね。

10月は名残の月です。
半年にわたって親しんだ風炉とも今月限り。
名残の茶事が行われるのもこの時期、10月中頃から11月始め。
残茶・余波の催とも言います。

去年の口切から使い続けてきたお茶が、風炉の終わりの時期になると 残り少なくなるため、茶そのものに名残を惜しむ侘びた茶事です。
また、お茶だけでなく、やがて深まる秋と共に去りいくものへの
名残がつのります。

花は、残花と言って、たくさんの花を、奇数を入れます。
だいぶ前に茶会で見た、数十本の花の中に、ほうずきの皮がすけて、中の丸い実が きれいに見えていたのが印象的で忘れられません。

11月から炉になります。お茶のほうでは正月のような感じですので
障子の破れに、花型で切ったものを貼って、破れをそのままにしておくとか、 風炉や茶碗にも特色があるものを使います。

欠風炉(かきぶろ)
鉄風炉の甑や肩の一部が欠けてなくなったものや、割れを継いだもの、
破れ風炉(やれふろ)・
やつれ風炉とも言って、この時に使います。

欠け茶碗
欠けや割れの入った茶碗に繕いを施した物など使います。

このような、この時期なればこそ侘びた情趣に心をよせたいものです。 皆さんは、深まりゆく秋をどのようにして味わっていらっしゃいますか?

茶の言葉(7)
東京名所の一つ、お茶の水の起源は、
後陽成天皇の天正18年 (1590)8月に、徳川家康が江戸に入ってからまもなく、鷹狩り の途中この地の涌き水を飲み、その美味を褒めてからお茶の水に 用いるようになったので付けられた名であると言う。