「教えて茶道」Vol,205

研究会に行ってまいりました。
先生の説明の中にちょっと覚えておくことをお知らせします。
・茶道口にて挨拶をして、道具を持って立ちあがる時、手を畳につけて
 挨拶をして、体を上げると同時に手は膝に置かないで、持つ道具の方
 へ伸ばす。
・建水を持つ時、きれいではあるが、湯をこぼすものだから、親指は多
 くかからないように持つ。
・濃茶の時、茶筅通しとかで湯を入れる場合、たっぷりと入れる。濃茶
 は一碗だけであるし、一期一会の精神で入れること。
・薄茶の場合は、反対に何杯もお茶を差し上げるので加減をする。
・盆点の時、唐物を仕覆から出す時、茶入を上げずに、仕覆を下におろ
 すようにしてぬがす。


季節点前 葉蓋を説明いたします。

<葉蓋>
葉蓋の扱いは、水指の蓋の替わりに、木の葉を蓋とするので、
時期は夏がよいのです。この扱いは薄茶点前だけのものです。

この扱いは、裏千家十一世玄々斎の創案で、ある年の七夕の趣向の茶会
に、自分の好みの末広籠の花入れの受け筒に梶(かじ)の葉を蓋して
使用したのが始まりになります。
末広籠の受け筒と言うのは、黒塗りの桧の曲に、切箔を散らしたもので
すが、陶磁器の水指でもさしつかえはありません。
しかしこの扱いは、運びで、木の葉の蓋にしますから、大きな水指は使
用できません。
蓋にする葉は、梶の葉、ぶどう、桐、蓮、里いも、蕗などの大きな葉が
よいのですが、毒素や悪臭のある葉、汁の出る葉などは用いません。
適当な葉をよく洗い、表を上向きに、葉の軸が自分の前にくるようにし
て、水指の上に置きます。置きやすいからと、葉をうつ向けに置くのは
いけません。
その時の催しの趣向にふさわしいものを使用するといいでしょう。
たとえば七夕の趣向なら、梶の葉、追悼会などの仏事の趣向なら蓮の葉
等を使用すると趣があります。芋の葉などの時は、わざと葉の上に露を
ためておくと、いかにも涼しそうに感じます。この場合、露をこぼさな
いよう、まず両手で葉を取り、建水へ露をこぼして、その後で、葉を折
ります。
葉蓋をした水指を建付けに置いて総礼し、水指を運び出し棗、茶碗を水
指前の置き合わせ、以下普通運び薄茶の点前と同様です。
水指の蓋を取るとき、葉蓋ですから、まず右手で蓋前を取り、左手を添
えて二つに折り、茎が左勝手付きに向くように横にします。それを、幾
つという定めはありませんが、葉の大きさによって、三つか四つに折っ
て、茎の端をその折ったところに差します。これは折った葉が開かない
ようにするためです。それを、左手で建水の中に入れます。以下同様です。
終りの柄杓を取って釜に水をさし、柄杓をかまえて釜の蓋を閉めると、
正客から拝見を請われます。(通常は水指の蓋を閉めてから拝見ですが)
柄杓をかまえたまま軽く一礼して、柄杓を蓋置の上に引かずに、すぐに
建水にあずけ、蓋置を建水の後ろに置いて、いつものように棗、茶杓を
拝見に出します。

<茶人伝>豊臣秀吉(とよとみひでよし)
志半ばで倒れた織田信長に代わって天下統一を果たしたのは、1535年尾
張に生まれ、一代で立身出世を成し遂げた秀吉でした。
彼は大阪城や聚楽第(じゅらくだい)をはじめ、城内に草庵を中心とす
る茶室群「山里丸」を営んで侘茶に親しみましたが、そこには茶道(さ
どう)となった利休の影響が色濃く表れています。
しかし、一方では、絢爛たる桃山文化を象徴するかのように、組み立て
式三畳の「黄金の茶室」を造り、あるいは一度に八百もの茶席を設けた
「北野大茶会」を開くなど、位人臣をきわめた人間の派手好みの側面も
見せました。
秀吉と利休の美意識のずれは、たとえば「黒は古きこころなり」として
利休が好んだ黒楽茶碗を秀吉が嫌ったことなどにも表れ、やがて、この
二つ強烈な個性の葛藤は、謎に包まれた利休切腹という悲劇を生むに至
るのです。
1598年62歳にて没。


<茶碗 ちゃわん>用語

火色  ひいろ
     緋色とも書く。締焼・染付・青磁などの釉のかかっていない
     部分に赤または茶色く現われる斑紋。器胎の素地に含まれる
     鉄分による発色で、志野焼における火色は特に珍重される。
     備前焼の火襷は初期のものを除けばほとんど人工的に発色さ
     せたものが多い。

火襷  ひだすき
     備前焼・常滑焼などの無釉の陶器に襷状の赤褐色の班紋が現わ
     れるのをいう。重ね焼きをするとき、間に藁を挟んだり、塩俵
     を薪とともにもちいたりしたため赤筋が現われたのを、後世意
     識的に塩藁などを巻いて焼成すあるようになった。

火間  ひま
     陶磁器の器胎の一部が釉薬の間から露出し、その部分が赤褐色
     に発色している状態、またはその釉切れの部分を指す。釉薬の
     ちぢれや、指跡など土見の所をもいう。

箆目  へらめ
     陶磁器の素地を木製または竹製の箆で削った箆跡をいう。一般
     に轆轤目が水平方向のものであるのに対して、箆目は堅箆とも
     称するように垂直につけられるものが多い。陶器の鑑賞上また
     銘のつけられる原因ともなる重要なポイントで、景色として珍
     重される。