一段と寒くなって、冬を感じさせるようになりました。どうぞ寒さには
くれぐれもご用心してください。
楽しい茶事けいこに参加いたしましたが、その報告は来週に。
<お茶碗の取り方>
茶碗を取り上げるには、まず、茶碗のま横より親指を伸ばして茶碗の縁
にかけ、高台のわきをしっかりと持ち上げます。
※ 高台(こうだい)茶碗・鉢・皿などの底部の基台をいう。
高台は大切な所なので、直接さわらないようにします。
出された茶碗を取りに行く時は、
手を伸ばして取れるところまで進み出て、茶碗を膝前に取り、自分の席
へ戻り、畳縁外へ置いて、自分の位置に落着いてから、茶椀を取ります。
茶碗を、指を揃えて伸ばした左手の平、指先ではなく中央にのせます。
茶碗をのせたら、右手の親指は縁から下ろし、横からしっかりと支え茶
碗を包むようにして持ちます。
大切な茶碗だからと緊張しすぎるのはよくありません。普段から気持ち
を引き締めて器を扱っていれば、自然に身につくものです。
<裂地 きれじ>
綾織 あやおり 三本以上の経緯糸を組み合せて斜めの地模様を織り出
したもの。斜紋織ともいう。四十五度の斜め織りを正
則斜紋ともいう。右上り・左上りを表面とする。ほか
に経による斜紋を経綾、緯によるものを緯綾という。
平織・繻子織とともに織物の基本形の一つ。
有栖川錦 ありすがわにしき
名物裂の一種。名物有栖川錦には三種類があり、組織
は同じだが、文様が鹿文様・馬文様・雲龍文様に分か
れる。いずれも加賀前田家に伝えられ本歌として名高
い。名称の由来は有栖川宮家に所蔵されたことによる
ともいわれるが、詳らかではない。
@鹿文様・馬文様 制作年代は十六世紀頃で、ペルシ
アカーペットに同手の文様が見えるので中近東あたり
の製とされる。戦国時代から桃山時代にかけて舶載さ
れた。鹿文様は薄赤茶・萌黄色で長方形を隅切りした
八角の窓を織り出し、その中に馬を色変わりに織り出
している。八角形の周囲には宝尽しの文様がある。
A雲龍文様 中国明代中期の製。オランダ船により桃
山時代に舶載さたことから、古くはオランダ製ともい
われた。萌黄地に緑・黄色などで雲龍を、黄・赤茶・
黒などで龍紋を並列に交互に織出した錦である。その
他、類裂が多い。
いちご錦 いちごにしき
名物裂の一種。薄茶色の厚手の木綿地に白・茶・緑
紺色の絹糸で楕円形十二弁の花紋を織出し、織留の
部分には同色の絹糸で装飾的段文様を織出している。
この花紋を苺と見立てての名であろう。古渡りの錦
で、十六世紀から十七世紀始めにペルシャで製作さ
てたとも、中国製であるともいわれている。
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