「教えて茶道」Vol,176

<炉点前での注意点>
基本の形、薄茶で申し上げますと、
水指を置く位置は畳中心、膝より向こうヘおよそ24センチの所に置く。
居前(座る方向)は、内隅ねらいと言い、炉縁の内側をねらって自分の膝中心
にくるように座ります。
建水は、炉縁の上の端の延長線に中心がかかり、勝手付きの畳の縁から5〜7
目ほどあけた位置にすすめる。
棗や茶筅を立てる位置は、水指と炉縁の中程。
棗と茶筅の間は指4本くらいの間隔。
蓋置は、竹の場合は節が中ほどにある炉用を使用します。
置く位置は炉縁下座の縁外、畳目3目、(釜の蓋の大きさによる)。
正面は柄杓の引く方向にする。茶巾もその方向に釜の蓋上に置く。
柄杓は炉用、柄の切り止めが皮の方にあるものを使用します。
置く位置は蓋置に載せ、自分の膝と平行にひく。
釜の上に柄杓をあずける時は、柄杓の柄の端は、内隅ねらいにします。
膝が外隅ねらいの時は、柄杓の柄も同様にします。
柄杓の合(ごう、湯水を汲む桶形の部分)は釜の口が立口(たちくち)、輪口
の類は、合を落としかけ、姥口(うばくち)は口作りに合をのせ、あずける。
お茶を点てた茶碗を出す位置は、釜の蓋の下座に出します。
道具拝見の時の棗を清める位置(客付き)は炉縁の外正面が自分の膝中心になり
畳目16目の位置になる。
位置関係が風炉と異なるので、難しいですが、居前、客付、勝手付の位置をし
っかり覚えれば大丈夫です。


<歩き方>
着物を着て、しかも歩く姿が美しいのは素敵なものです。
歩く時も背筋を伸ばし、下腹に力を入れ、呼吸を整えるのが基本です。足はつ
ま先から下ろし、かかとがついたらつま先が上がるように、畳を擦るように歩
きます。
畳を擦る音をわざとたてるのは、亭主が茶室の様子を知る手がかりにするため
です。
上体を動かさず、指をきちんと伸ばして足の前に軽く添えます。急ぎ足になら
ずに、自分の呼吸に合わせて進み、目線は足元ではなく、少し先を見ます。
また、畳のへりや拝見の道具を出す付近は踏まないように気をつけます。
畳半畳を二歩で歩く、五歩目で縁をまたぐを覚えましょう。
入る時はお客様のいらしゃる方の足から立てる、普通は右足から入り、左足で
出る、ということになります。

<掛物 かけもの> 

把綿 たばねわた 花入の形状の一種。上下で端返り、胴が締まって帯のある
         もの。把綿の形に似ているのでこの名がある。

中回し ちゅうまわし 表装の名所の一つ。中縁ともいい、略して単に中とも
           言う。地題(天地)の間の本紙を取り巻く部分を言う。
           本紙の左右の部分だけを指して柱と言う。一文字に次
           ぐ上等裂地が用いられ、堅幅で柱の幅の広いものを幢
           補、狭いものを輪補という。

手鑑 てかがみ 名筆の鑑賞や筆者の鑑定の便のために、経巻や歌書・消息な
        どの卷子や冊子本から、その一部を切取って収集し帖に編集
        したもの。手鑑の作成は桃山時代から江戸時代の全期間を通
        じて流行し、写経手鑑・色紙短冊手鑑・古文書手鑑など種別
        の手鑑もつくられた。手鑑における筆者の定め方、古筆の種
        類やその配列の次第などから、古筆鑑賞の推移をうかがうこ
        とができる。通式としては大聖武を巻頭に配する。「藻塩草」
        「大手鑑」・「見ぬ世の友」・「野辺のみどり」などが有名。