本当に毎日暑い日が続きますね。真夏は冷夏で初秋は酷暑で、変な気候
に、秋はどうなるのかおちおちしてられない気分です。
「平常心是道」のように、落着いていましょう。
先日研究会がありましたので、その時の説明から申し上げます。
大天目(だいてんもく)
これは、本勝手であれば小間でも広間でも出来ます。
天目茶碗は唐物でなくてよい。
茶道口では、指の第二関節をつく「草」のお辞儀をします。
道具拝見の時に道具を清め出す時は茶道口のお辞儀に順じますので、手
をついて出すと覚えればいいでしょう。
入子点(いれこだて)
これは立ち居振舞いが不安な方、お年寄りや幼くて道具の持ち運びに
あぶなげな歳ゆかぬものなどが主としておこなう点前で、決して老人
だけのものではなく、お客様に亭主の立ち居振舞いに気遣いをさせな
いようにする点前です。
木地曲の建水を使用します。扱いは内側の綴じ目がお客さまに見えるよ
うにと回しながら出し入れをします。
最後に帛紗を捌いて水指に置いて帰りますが、水指の塗り蓋の上に置き
ます。共蓋の場合は棚の右端に置いて帰ります。
どの点前にも通用することですが、帛紗捌きの時は腕の形が、大木を抱
えるような感じでふんわりと肘を張ります。
帛紗を持つ指は大きなカタカナの「ハ」の字になるように持つ。
柄杓から湯を水を入れる時は親指がゆっくり下を向けるようにそれと同
時に肘を張るようにして入れます。決して小手先だけでしないように。
お茶はきれいを見せるにつきますから、順序を覚えれば動作はいかにき
れいに、美しく見えるかを考えてしましょう。
次回は<入子点>を説明いたしましょう。
<茶入>茶入の鑑賞
茶入は濃茶を入れる器の総称で、点前道具の第一とされます。その形は
さまざまですが、茶入ではなだれという釉景を見せる部分を置形(おき
がた)と呼び、これを正面とします。この置形が茶入の要で、その優れ
たものが名物として貴ばれる条件の一つでした。茶入の品格を左右する
のは口造りで、釉薬のかかっていない裾から底の部分の土味(つちあじ)
は窯の鑑別や年代を見るうえで重要です。土の部分には手を触れないよ
うに注意します。茶入の底を糸切と呼び、茶入独特の見どころです。
口
ー−−− 口縁
| |→こしき
肩 → / 〜\
|〜/| | |
胴紐 →|ーーーーーー| 胴
| \〜/←|ーなだれ
| | ↑
土見 → \ / ーーー→ 腰
−−−− →裾
↑
底
<釜・風炉・灰型>
鑵子 かんす 釜の別名。「太平記」・「尺素往来」・「下学集」
「喫茶往来」などに散見される。古く「新猿楽記」
には鑵は「かなえ」と称している。江戸時代の
「物類称呼」によれば関東と関西とでは「鑵子」の
解釈が異なっていて、関西では羽のある真形釜の形
式のものを鑵子といい、関東では手取釜のような羽
がなく弦のあるものをいった。鑵の字は「つるべ」
の意で、つるべのついたものをも指す。つまり手取
釜の形式を指している。「尺素往来」に鑵子は芦屋
とあり(日常用に芦屋作の釜を用いたと考えられる)
、また茶湯釜としては「釜師之由来」に「天命釜の
極上作鑵子、鐶付角耳、大文字屋宗碩」などとある。
切合せ きりあわせ 切懸(掛)けともいう。釜を風炉にかけるとき、釜
の羽と風炉の口をきちんと合わせるところからこの
名が出た。合わせ目を切合わせるという。名物釜に
も切合わせの釜がある。天命釜には「霰切掛釜、鐶
付鬼面、千少庵所持、千宗室」があり、また京釜に
は「切掛藤左衛門、少庵寄付ト文字有、冬木小平次」
の切掛丸釜、「弥四郎、尻張切釜天龍寺ト文字あり、
後藤三右衛門」などがあって、釜の形式は一定しない。
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