「教えて茶道」Vol,156

梅雨の六月になりました。先週の台風は皆様の地方ではいかがでしたか?
近畿地方では風が強く、我が家では藤を支えていたポールが折れてしまい
ましたし、外階段においてあった植木鉢が2ケも転げ落ちて割れました。
五月台風は38年ぶりとか、気象も変化著しいですね。


<茶花>花入と薄板
花入を畳床に置く場合には、花入の下に薄板という板を敷きます。これは
畳の上に金属や陶磁器を直接触れさせることを感覚的に嫌い、同時に花入
の水気が畳にしみこまないようにとの用心も兼ねています。
花入には真(しん)、行(ぎょう)、草(そう)の格式の区別があり、薄
板もそれに応じた格を用います。
真の胡銅(こどう)、青磁、古染付、古赤絵などの花入には黒真塗矢筈板
(くろしんぬりやはずいた)を用います。
行の釉薬(うわぐすり)のかかった瀬戸、丹波、高取焼きなどの和物磁器
の花入には塗りの蛤端(はまぐりば)。
草の釉薬のかかってない備前、伊賀、信楽などの土もの陶器や竹などには
木地の蛤端や丸香台を用います。

矢筈板     −−−−−−−−−−
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蛤端      
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丸香台    /−−−−−−−−−−−\
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<懐石用語>
通盆    かよいぼん:懐石道具の一種。亭主が給仕に用いる盆。給仕盆
            とも言う。多くは黒塗の縁が付いた丸盆で、普
            通は大小二枚が入れ子になっている。

燗鍋    かんなべ:提子(ひさげ)銚子の一種。手取釜を小さくして
           注ぎ口を付けたようなもので、鐶付き・撮みに細工
           されたものが多く、鉄・銅・金・銀・陶磁器製がある。
           秀吉が北野大茶会の触状に「燗鍋一つ、こがし」
           を持ってなりとも参集せよと令したように日常雑
           器となっていた。しかし茶湯釜にも見たてられ、
           特に侘び茶人らに愛玩されていた。かくて酒器と
           しての改良も進み、懐石料理として好まれた。
           燗鍋師として藤左衛門・新太郎らがいるが、大西
           淨林。宮崎寒雉らの釜師のよって作られたが多い。
           形は平丸・富士形・鶴首・四方があり、地紋は霰
           ・浪・雷紋・糸目。七宝など。共蓋が原則である
           が、替蓋として陶磁器が利用される。           

鉋目折敷  かんなめおしき:かんなめは木工品の意匠の一種で、鉋をか
              けた痕のような板の表面に削り目を付けた
              痕を付けたものの称で、それが付いた折敷。