「教えて茶道」Vol,132

皆様、ご機嫌いかがですか?風邪などひかれていませんか?
前回は失礼いたしました。お蔭様で、楽しい思い出一杯持って帰って参りました。
今回のオーストラリア行きは、メルボルンに住んでいる夫妻、日本に
1年少々滞在した彼らとの再会が第一目的でした。彼らは帰国後、赤ち
ゃんが出来て、その娘に会うのも楽しみでした。かわいいこと、かわいいこと。
そこまで行くならエアーズロックもと足をのばして、登ってまいりました。
ペンギンパレードも見ました。ブルーマウンテンも観光してきました。
今回はお茶関係は何もなしでした。

私が帰国後、さっそくに茶会があり、乾燥した空気で美声にダメージを
受けましたが、席中せきが止まらないとどうしよかと心配しながらも、
二席、はしごをしてまいりました。
そのなかでの気がついたこと。
十二月の茶会の趣向と銘に書いておりますが、花はろうばいに椿
蝋梅(ろうばい)
別名 唐梅・黄梅花 ロウバイ科の落葉潅木。
葉は短柄で対生し、卵形で両面とのざらざらしている。
十一月から一月にかけて、葉の先に蝋細工のような光沢をもつ小花を
横向き又は下向きに密集してつける。
外の花弁は淡黄色、内側は暗紫色で芳香があり、花後卵形の実を結ぶ。
残葉がある蕾または開花し始めものを、十一月末から十二月にかけて多く使用する。
椿も、蕾を使用します。

茶碗は、暦手(こよみで)や俵形、筒茶碗ぽいもの
かぶらの絵のある物、今年の干支の馬の絵のもの。

正客がおっしゃった「釜からゆげが立ち上るのは一番のご馳走です」
暖かさがあるのは、寒い時期には一番うれしいものですね。

はじめて拝見しました蓋置
夜学(やがく)と云うふたおき
夜学をする際、机上を照らす灯明の火皿の台を転用したもの。
灯台ともいう。甕形の四方に火灯窓のような透かしがある。
青磁が多い。大きいものは手焙に転用される。

明眸(めいぼう)という銘の黒の楽茶碗
意味は明るいひとみなのですが、お釈迦様が悟りを開かれた事も意味する
という説明に納得いたしました。

いろいろ勉強になった茶会でした。


<十二月の茶会の趣向と銘>
「銘」 冬の月 冬ざれ 霜の花 初雪 寒月 冬の山 枯野
    冬ごもり 水鳥 鴛鴦(おしどり) 千鳥 暦(こよみ)
    冬木:冬木立 枯木
    落葉:木の葉 朽葉 枯葉
    年の暮:歳暮 年の瀬 行く年
    雪:六花 不香花 雪の声
    氷:初氷 薄氷 氷の花 
     

十二月の異名 師走(しわす)梅初月(うめはつつき)蝋月(ろうげつ)

掛物  関(かん)
    無事(ぶじ)
    歳月不待人(さいげつ ひとをまたず)
    看々蝋月尽(みよみよ ろうげつ つく)
    紅炉上一点雪(こうろ じょういってんのゆき)
        
歌銘 年くるる有明の空の月影にほのかに残る宵の埋火
    小堀篷雪
   
趣向 何かと慌しい師走ですが、忙中に閑の茶味も侘びた趣向です。
   歳暮の釜では、俳句や消息を床にかけ、釜は広口で暖かくも
   てなします。
   薄茶器も町棗や一閑など、行く年の茶味を取り合わせます。