「教えて茶道」Vol,127

メールマガジン「教えて茶道」を読んでいただいているイタリアの
読者の方から、練り切りのお菓子の作り方を教えていただきました。
日本ではどこででも買えるお菓子ですが、海外では、手に入らないから、
工夫していらっしゃる様子に頭が下がります。
皆様もお試しください。
私も試してみました。ちょっと柔らかすぎましたが、試食した方から
おいしいの声もいただきました。白こしあんは既成を使用しました。
手作りをぜひ挑戦してください。
お茶だけの稽古ではなく、それの関連した事は数多くあります。
それのどれかを自分にあったものに興味を持つと言うのもいいことですね。
お菓子作り、料理、書道、陶芸、茶花作り、着物など。
知識は勿論、人間性も考え方も広がるでしょう。


練りきり(こなし)菓子の作り方

白い豆を煮てこしあんを作ります。白い豆と白砂糖は同じ重さ使います。

豆はきれいに洗い、たっぷりの湯を沸かしたなべにいれる。煮立ってき
たら、二度くらい湯を捨て新しい湯を沸かし煮くずれるまでゆでる。
このとき圧力なべを使うと便利。煮上がった豆を煮汁ごとフードプロセ
ッサーやミキサーにかけて豆をつぶす。大きめのボールや鍋の上で裏ご
しして皮を取り除く。ボールに沈澱したものがこしあんの「ご」です。
上澄みをすて水を加えて沈澱させ、再び上澄みをすてる。さらしの袋
(布を縫って袋を作っておく)にあけ、たっぷりの水でさらしながら絞
り、きっちり水気を切っておく。これで「ご」のできあがりです。
「ご」と白砂糖を鍋に入れ、火にかけて木べらで焦がさないように練る。
つやが出るまで15分くらい練る。木べらですくって2〜3秒たって落ち
るくらいまで水気をとばします。
すぐに使わない時は小分けにして冷凍しておくと便利。

練りきり
白こしあん300gに白玉粉10gを少量の水で溶いたものを加え、耐熱容器に
入れへらで良く混ぜる。電子レンジ500wに30秒かけ、取り出してへ
らで混ぜる。再び電子レンジに30秒かけ、良く混ぜてなめらかで粘りの
ある状態にする。
あら熱がとれたら、好みの色に整え細工をする。
細工は季節にあわせていろいろ工夫してみて下さい。

私は時間のある時に白こしあんとふつうのこしあんを作って小分けにして
冷凍しておきます。
お茶のお稽古の前日から自然解凍し後は電子レンジにかけてささっと作りま
す。色づけは緑は抹茶、黄色はサフラン、赤は食用色素を使います。この3
色でいろいろできます。黄色のと赤のあんを混ぜ合わせるときれいなだいだ
い色になります。
赤も使う量によって桃色から真紅まででます。

来週のお稽古には栗を煮てシロップに漬けて、それを芯にして小豆あんで包
み、いがぐりの飾りをして見ようと思っています。いがの部分は、ざるを使
って餡をぎゅっと押し出して作り、それを箸で芯に付けていきます。
白あんを緑に染めて、いがにしてみようかしら、などと考えております。


お菓子は山で拾った栗を使って、きんとんを作って持っていきました。
栗は切れ目を入れてオーブンで焼き、皮をむいて、シロップで甘露煮にします。
こし餡と栗で芯になる部分をつくり、ざるでこし餡をしごいて「いが」をつ
くり、そのいがを芯につけます。
栗は山で拾ってきたものなので小さいですが、とてもかわいらしくできました。
お稽古も楽しいですが、季節のお菓子作りもとっても楽しいです。


<稽古の心得>
お茶は、まず挨拶から始まると言われます。先生のお宅に入ったら、先生
は勿論、稽古場の他の方々にも忘れずに挨拶しましょう。
そして自分が稽古をつけてもらう時に「〇〇のお稽古をお願いします」と
先生に挨拶します。稽古を終えた時は「お稽古ありがとうございました」
と礼を言います。そしてお客をしていただいた人にも「お客様ありがと
うございました」と礼をします。
また、自分が先に帰る時には「お先に失礼します」と一言忘れずに言いま
しょう。
大切なのは、礼と形式ではなく、相手への感謝や敬意から生まれるものだ
ということです。初心者のうちは、このような基本は守られていますが、
稽古が進んで慣れてくると、基本が守られないケースがありますので、
くれぐれも、初心忘れるべからずです。