「教えて茶道」Vol,119

E-Magazineから、「茶道を簡単にやさしく入門の読者の方からのメールをお
届けします」と、時々、読者のメールが私の元に届きます。
一言でもメールいただいた方にはかならずお返事を書いて返信いたしますが、
一人の方だけ、受け取り拒否でメールが戻っていきました。
7月30日頃にメールをくださった方です。こちらがメールの返信を出し
たのが、旅行後だったので、だいぶ遅くなっておりました。
お心当たりの方、あいそがないと怒らんといてね、遅くなりましたが、ここ
でお礼申し上げます。
一言でもこちらはとてもうれしいですし、励みにもなります。
勉強、勉強と嬉しく胸はずみます。


<九月の茶会の趣向と銘>
「銘」 白露(はくろ)野分(のわけ)秋の声 月 無月(むげつ)雨月
    名月:明月 望月(もちづき)芋名月(いもめいげつ)
    露:朝露 夕露 秋の色:秋光 秋の野 砧(きぬた)玉兎
    菊の宴 着せ綿(きせわた)菊慈童 武蔵野(むさしの)嵯峨野
    初雁 虫:松虫 鈴虫 蓑虫(みのむし)鹿:小牡鹿(さおしか)
    
九月の異名 長月(ながつき)夜長月(よながつき) 菊月 紅葉月
      菊咲月(きくさきづき)

掛物  明歴々露堂々(めいれきれきろどうどう)
    掬水月在手(みずをきくすればつきにあり)
    月白風清(つきひろくかぜきよく)
    江月照松風吹(こうげつてらししょうふうふく)

歌銘 秋風に初雁金ぞ聞ゆるなる誰が玉ずさをかけ来ぬらん
    紀友則
   秋の野の萩の錦をわが宿に鹿の音ながらうつしてしかな
    小堀遠州

趣向 菊の茶、月の茶など取り合わせも多種に楽しめます。
   月の光で催す茶では、席中に灯火を用いず、月の差す方の障子や簾
   も取り外し、できるだけ月光を席中に取り入れると趣が出ます。
   
   
<茶碗の鑑賞>
茶碗は掌(たなごころ)に持って茶を飲むという点で特に親しまれ、鑑賞
についても格別の関心が持たれます。その基本は見て味わうだけでなく、
触感で味わうことです。まずは全体の姿、釉薬の色合いや文様(絵)、あ
るいは釉薬のかかっていない土の部分(土見という)の色合いなどを見、
全体のバランスをつかみます。次に手に取って親しく触れ、形や肌の質感
重量感などを吟味します。手に取る時は、両手のひじをひざにのせて体を
低くしし、茶碗を低い位置で見るようにします。また、茶碗の底の高台の
付近に土見がある場合には手を触れないように注意します。
席中にての拝見時、始めに全体を見る、この時おじぎをするのではありま
せん。お辞儀と間違って頭をさげている人があるので、気をつけましょう。


<水屋の後始末>
茶碗のしまい方
茶碗は、粗相のないように注意して洗い清めたあとに湯通しをし、乾いた
布巾で十分に拭き取ります。茶碗を箱にしまう場合には、湯通しした後、
水気を拭き切って、ニ、三日陰干しをし、茶碗そのものをしっかりと乾燥
させます。もし、水気を含んだ茶碗をそのまま箱にしまいこむと、特に土
ものの茶碗などは、カビを呼ぶ原因となります。陰干しをした後、裂に包
んだり茶碗の袋がある場合、その中に入れて箱にしまいます。箱の蓋をす
る時、覆い紙などを用いておくと、箱の甲の汚れを防げます。紐はしっか
り結んでおきます。