「教えて茶道」Vol,108

六月に入りました。これから本番の雨に似合うアジサイは、もう我が家
では、満開です。どの花も早く咲いていますね。


<六月の茶会の趣向と銘>
「銘」 落し文(おとしふみ):オトシブミ科の甲虫の葉を巻いた巣を
               見たてて、公然と言えない文書にして
               落とした文を言う
    蛍狩り(ほたるがり)青田(あおた)滝の糸 瀑布(ばくふ)
    緑陰(りょくいん)浮舟(うきふね)白夜(はくや、びゃくや)
    青楓(あおかえで)夏木立(なつこだち)布引(ぬのびき)
    川床(かわどこ)五月雨(さみだれ)夏野(なつの)夏の夜    
    福蛙 雨蛙(あまがえる)雷(はたたがみ)     
    青苔(せいたい):青いこけ
    山井(やまい):山中の水のわきでるところ
    翡翠(かわせみ):鳥の名前
    芒種(ぼうしゅ):二十四節気の一つ太陽暦六月五日頃
    河鹿(かじか):かえる
    安居(あんご):梵語で、僧が一定期間外出しないで一室に閉じ
            こもって修行すること。夏籠(げごもり)とも言う
    
六月の異名 水無月(みなずき)風待月(かぜまちつき)松風月

掛物 雲収山岳青(くもおさまって さんがくあおし)
   遊魚動緑荷(ゆうぎょ りょくかをうごかす)
   雲去青山露(くもさって せいざんあらわる)
清流無間断(せいりゅう かんだんなし)
   一雨潤千山(いちう せんざんをうるおす)

歌銘 風そよぐ ならの小川の夕ぐれは みそぎぞ夏のしるしなりけり
    藤原家隆

趣向 涼一味、雨を楽しむなどの趣向。

   
<水屋での準備>
水屋は単に道具の置き場所と言うのではなく、茶事や点前の準備を後始末
をする場所でもあります。
何より大切なのが水。香り立つような一服のお茶が、水道水の消毒臭に負
けて台無しになるとこともしばしばあります。
そんな時は、においをとるために水を一晩水がめなどに置いたり、浄水器
を使うなどの心配りをしたいものです。水かめ、水指、釜などに使われる
水は消毒臭のない水を心掛け、大切なお客様には、各地の名水やミネラル
ウオーターなどを使ってお迎えするのもいいでしょう。


「つもりちがい十ヶ条」
以前に、メール友達からいただいた「つもりちがい」を披露しましたが、
新聞に記事が載っていましたので、また紹介いたします。
千葉県春日神社の宮司の井上信幸さんが、十年ほど前に、物事が思うよう
に進まないのは、そうありたいと願っているつもりになっているだけで、
実は日ごろ、よかれと思い込んでいる生活習慣や行動を省みずに、同じ過
ちを繰り返していることが多いと気づいたそうです。
短くウイットに富んだ文を読んで笑ってもらうことで、「つもりちがい」
に気づき、生活全般を見なおすきっかけになればと言う井上さんの思いが
込められています。

「つもりちがい十ヶ条」
高いつもりで低いのが教養
低いつもりで高いのが気位
深いつもりであさいのが知識
あさいつもりで深いのがの欲の皮
厚いつもりでうすいのが人情
うすいつもりで厚いのが面の皮
強いつもりで弱いのが根性
弱いつもりで強いのが我
多いつもりで少ないのは分別
少ないつもりで多いいのが無駄


以前の文章は

高いつもりで低いのが教養
低いつもりで高いのが気位
深いつもりで浅いのが知識
浅いつもりで深いのが欲望
厚いつもりで薄いのが人情
薄いつもりで厚いのが面皮
強いつもりで弱いのが根性
弱いつもりで強いのが自我
少ないつもりで多いのが無駄
しているつもりでしていないのが仕事