「教えて茶道」Vol,103

 

恥ずかしながら、こんな私でも、時々、鬱状態になります。
木の芽立ちの時期か、happyをたくさんお分けすぎたせいか、何もかもが
いやになり、外出も人との出合いも避けたくなります。
家に引きこもって、何もしたくなー−い。スランプですね。
何もしないでは、状態が悪くなると思い、せめての予定だけはこなすようにし
ています。先日、友人から電話があり、彼女に言う前に、彼女は鬱状態だと、
打ち明けられました。同病相あわれみましたが、流行しているのかな?
一人の友人は、気分アップに赤いバラの花をくれました。そして、バラの花び
らを入れたバラ風呂を奨めてくれました。それでちょっと、回復に向いました。
こうして告白するのは、回復途上です。どん底中では誰にも言えません。
そんな友人が、皆さんの周りにいたら、「頑張れ」とは決して言わないように、
それが又ストレスになって、落ちこむのです。
そんな時は見守り、貴方の側にいますよという意思表示だけで、心強い支えに
なります。言葉をかけると言うことも非常に難しいことです。
季節が変わって、気持ちいい時に、こんなことを言ってごめんなさいね。


五月から、風炉の季節になります。
茶の湯は風炉から始まったので、初風炉は重く見られます。
花も風炉の花となり、清新で軽やかな取り合せとなります。

「銘」青嵐(せいらん)薫風(くんぷう)早苗(さなえ)麦秋(ばくしゅう)
   清流(せいりゅう)菖蒲太刀(しょうぶたち)岩清水(いわしみず)
   若みどり 夏山 氷室(ひむろ) 打水(うちみず)有明(ありあけ)
   卯の花(うのはな) 時鳥(郭公 ほととぎす)若葉 葉桜 新緑
   花橘(昔草 はなたちばな)八ッ橋(やつはし)早乙女(さおとめ)

五月の異名 皐月(さつき) 雨月(五月雨 さみだれ)早苗月

掛物 薫風自南来(くんぷうみずからみなみよりきたる)
   遠山無限碧層々(えんざんむげんへきそうそう)
   清流無間断(せいりゅうかんだんなし)

歌銘 ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただ有明の月ぞのこれる
      後徳大寺左大臣
   夏山に青葉交りの遅桜はつ花よりも珍しきかな
      金葉集 盛房

趣向 神事釜には祭主の神号、神の一字一行物などを掛け、宮柱(みやはしら)
   神楽(かぐら)、太鼓、鈴の緒など、神社にちなむ銘と取り合せる。


<茶事>についての補足
<濃茶 こいちゃ>
濃茶は、言うまでもなく茶事の山場、見せ場であります。
亭主はこの一服のお茶をおいしく飲んでいただく為に、すべての演出を凝らす
のですから、客はその意図を十分に汲んで望むべきでしょう。
釜が煮え立つ音以外、しーんとした全く静寂な中で亭主がおもむろに点てる
濃茶の点前を、じっくりと拝見して、点てられた一碗の濃茶を、客は回し飲み
をします。その味、香り、湯加減、練り加減を心ゆくまで味わうつもりでいた
だきます。飲み終わった後、茶碗の拝見をする時、その茶碗の底に残された茶
の香りと緑の色の練り跡を楽しみます。
それから道具の拝見となります。茶入れ、茶杓、仕覆を拝見しているうちに、
おのずから今日の茶事の趣向が話題となり、主客の会話も進むでしょう。

<国語の時間>
お菓子ふたたび
今回は、お菓子の名前の読み方を考えていただきます。皆さんは茶道には造詣
の深い方ばかりですから、十中八九、どころか全部ご存知だと思いますが、お
試しになってください。
1. 有平糖 2. 外郎 3. 打物 4. 求肥 5. 錦玉 6. 棹物 7.  上生
8. 薯預  9. 練切 10. 微塵粉 11.金団

1. あるへいとう
砂糖を煮詰め、冷やして飴のように固めたもの。ポルトガル語で砂糖の意味。
キリスト教伝来と共にヨーロッパからもたらされたもの。砂糖を煮詰め飴のよ
うに固めたもので、花や果実に模した形がある。
干菓子として代表的なものである。
2. ういろう
蒸し菓子。うるち米の粉に黒砂糖(のちに白砂糖も使う)を加えて、蒸し方形
に切った棹物。名前の由来は、中国の元の礼部員外郎(官職名)の陣宗敬に因
なむという。名古屋・山口の名物だが、なかでも名古屋での製造は1659
年からという。色や形を変化させ、種類も多い。
3. うちもの
微塵粉に少々の水をさし、しっとりとした中に砂糖を加えて、木型に入れて固
め打ち出したもの。落雁もこの類に入る。
4.ぎゅうひ
蒸した白玉粉に白砂糖と晒し水あめを加えて練り固めたもの。初期は玄米で作
られ、薄黒く練りあがり、あたかも牛の皮に似ているところから牛皮と称され
たが、忌んで求肥としたといわれる。
5. きんぎょく
琥珀(こはく)ともいう。寒天を煮溶かして、砂糖を加えて煮詰めて固めたもの
。透明度が涼味を誘い夏菓子に適している。
また、この菓子を材料として、道明寺糒(どうみょうじほしい)を加えたみぞ
れ羹(かん)、微塵粉を加えた微塵羹、吉野葛を加えた吉野羹などがある。
6. さおもの
細長いところから付けられた名。羊羹や外郎に代表される。時に応じて大小、
厚薄を好みに切り分けられる。
7. じょうなま
生菓子の区分の一つ。練り切りや羊羹などのことを指す。茶席においては
「主菓子」(おもかし)という。
8. じょうよ
山の芋のこと。 これをすりおろし、饅頭皮のつなぎに用い、飴などを包んで蒸
し上げたものを薯預饅頭(じょうよまんじゅう)という。現今では上等なものと
う意味から上用(じょうよう)などの宛て字で通用している。
9. ねりきり
飴につなぎを入れ、細工した菓子のこと。白飴に求肥を繋ぎとして入れて練り上
げたものと、薯預を主としてむしあげたものの二通りがある。
10.みじんこ
もち米を蒸して乾飯として引いて粉にしたもの。
11きんとん
唐菓子。桃山時代の茶会記に茶菓子として見える。少団子に餡をまぶしたものに
はじまり、現在の栗や隠元豆の金団に発達した。江戸時代後期、大徳寺金団が
名物とされた。