稽古を始めると、ともすれば点前手順だけが大事になり、それに振り回され
るような感じになりがちです。そのために稽古が億劫に感じられたり、自分
がなぜお茶の稽古をしているのかを忘れてしまいます。
そんな時、お茶は自分にとって何なのか、そんな気持ちで茶道を始めようと
したのか、と心に問うてみることも大切です。
利休百首の「その道に入らんと思う心こそ我が身ながらの師匠なりけれ」
志をたて、自ら進んで学ぼうと思う心が起こったなら、その時には自分の心
の中に立派な師匠ができている。そのように茶道は自発的に習うよでなけれ
ば進歩もないという意味。
お茶の稽古をして良かったと実感できるよう自分なりの楽しさを見つけて下
さい。
又、姿勢はどうなっているかを確認してください。
お点前の時、猫背になったリ、りきみ過ぎて、肩が上がっていませんか?
下腹に力を入れて、背筋を伸ばして、肩の力を抜いて、リラックスしてお茶
を点ててください。
気持ちをゆったりしてお茶を点てると一層おいしさを感じます。
<茶事>についての補足
<中立 なかだち>
中立は休憩時間で、客はこの間に着物を整えたり、トイレを使ったりします。
この間、亭主は床の間の掛軸を花に替え、濃茶の準備をします。
双方実務的に必要な間合いですが、この中立は茶事の流れを締める役割、
つまり懐石でくつろいだ茶席に、もう一度緊張感を取り戻すと言う働きをし
ています。一息入れた後、いよいよ濃茶が始まると言う思いを胸に、腰掛け
に座る客に、どうぞ濃茶席へという合図の亭主が打つ銅鑼(どら)が聞こえ
ますと、再度、つくばいを使いにじり口から席入りをします。
床には花が生けられ、湯加減も程よく、後座の準備が整っている様子がわか
ると、濃茶への期待がふくらみます。
<国語の時間>
箸・茶碗
私達日本人にとってお箸とお茶碗は欠かすことのできない大切なものです。
この二つはどんな語源を持つのでしょう。
◎ 箸
食物をはさんで食べるのに使う二本一組の鉾。
日本の食卓には欠かせない道具で、食品を取り分けたり、切り離したりもす
る。
語源は、鳥のはし(嘴)・くちばし(嘴)と同じで、動詞「はさむ」(挟む)とも同
源であろう。すなわち、はさむものという意味である。
古くは、一本の細い棒を折り曲げ、ピンセットのように挟んで使うものだっ
た。これだと、日本の箸よりも、なお鳥の嘴に似た形になる。
◎ 茶碗
飯を盛り、また湯茶を飲むための陶磁器の器。
現在では「茶碗」は主に飯を盛る器をさすが、もともとは「茶」を喫するための
「碗」が「茶碗」である。茶は平安時代に伝来し、喫茶の風は鎌倉時代以降に
広まった。当初は貴重品の茶を楽しむ為の良質の器が「茶碗」であったが、次
第に時代が下がるにつれて碗形の陶磁器の総称となり、「飯茶碗」「湯のみ茶
碗」「茶碗鉢」さらには「コーヒー茶碗」等の言い方まで生まれてきた。
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