「教えて茶道」Vol,10

雨に似合う花、紫陽花がこんもりと、手まりような花をつけています。
梅雨のなか休みのような、そして、肌寒い日が続きます。
体調を崩しやすいので、くれぐれもお気をつけてください。

茶道具(その1)

棗 (なつめ)
お薄のお茶を入れる物をお薄器(うすき)と申します。
また、棗とも言います。
その形状が、植物のナツメの実に似ている事からつけられた
名称です。
茶器の分野では、その形が棗に代表され、棗イコール茶器
と言う響きを持っています。
つまり、棗型でなくとも、茶器と言う意味合いで
棗の字を付けることがたびたびあります。
形や、材質、塗りの違いも、いろいろあります。
形の違いで、
中次 (なかつぎ) 金輪寺(きんりんじ)
吹雪(ふぶき)丸棗(まるなつめ)ひさご型等があります。

黒なつめは、一番格があると言われ、 お濃茶を入れるのに使うこともあります。
蒔絵があるものは、どんなに高価でも、濃茶には使えません。

蒔絵がほどこされたものは、
一年中使える模様のもの
鳳凰文蒔絵(ほうおうもんまきえ)桐文蒔絵(きりもんまきえ)
その季節を表した模様
菊籬蒔絵(きくまがきまきえ)紫陽花蒔絵(あじさいまきえ)
柳蒔絵(やなぎまきえ)秋草蒔絵(あきくさまきえ)
などがあります。

塗り物がほとんどですが、
大人数の茶会において、一つの茶器では茶の量が足らない時、
予備の茶器として用意されたものを替え茶器と言います。
また、棚物を使うときや、小間の棚に、一つの変化として
替え茶器を飾ることがあります。
薄茶の場合、多くは塗り物が使用されるので、替え茶器には
陶器が見たてられます。